現場ログ

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舞台 魍魎の匣神戸公演を見た

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魍魎の匣 神戸公演土日のソワレを見てきました。
つまり日曜日は大千秋だ。よく一般で取れたな…。
チケットは土曜日をFC枠で、日曜日をLoppiで一般販売のタイミングで買いました。よく一般で取れたな…。(2回目)
結果的に2日間で全く反対方向から舞台を眺めることができてよかったです。
どっちか一日だけだったら後悔してただろうな〜。


一日目が一階席一桁列右ブロック端寄り、二日目が三階席一桁列左ブロック端寄り…って感じの座席でした。
一日目はもうね…役者が近え……存在が濃い……気圧される!と、そうそうそういう話だったね!(再読間に合いませんでした…)でいっぱいになっちゃいましたね。
右ブロックだったので役者が左側を向くとこちらに背を向けることになり、美馬坂vs京極堂のシーン…とくに『この僕が言うのです』は全く京極堂の後ろ姿ばかりで、いやそれでも二人の迫力にめちゃくちゃビビっててたんですが…。
二日目は逆方向かつ上方なので左手側がまるごと見えないシーンもあったんですけど、
・久保の指が挟まった金属製の匣を開けようとするが、寺田の方を見ながら話す京極堂
・最後の美馬坂vs京極堂
・『この僕が言うのです』
のあたりがねえ…よく見えてよかった。美しくて怖かった。


そうだケンチさん。主演がケンチさんだから見に行ってたんですよ。
これは私の個人的な体感なんですが、ケンチさんって、生で見るとめちゃくちゃ存在感の塊みたいな感じしませんか?
私はその塊っぷりが好きなのでその体で話しますが…。
私がケンチさんを生で拝んだ現場といえば、
・SECONDとEXILEのライブ
たちばな書店presents ショートショート×Photo live session(これも最高の現場でした)
ぐらいなんですけど、どのタイミングで見ても存在感が濃くて、言うなれば常人とは使ってるレイヤー数が違うような、100%の乗算レイヤー噛ませてるような気がするんですよね…。どの場や空気にいても気圧されない主役級の塗り、色の濃さ。
一方私は自分にレイヤー数がない自認があり、そしてレイヤー数が多い人間に怯えてしまうんですよね。
そして幸運にもケンチさんを間近で見る機会があると、キャー!(黄色い声)というよりヒェェ…(後ずさり)みたいになってしまう。
しかしそういうレイヤー数の落差を突きつけられているのもまた楽しいというか、後味悪いお話を読んだ後のような快感があり、ケンチさんがお芝居するなら見に行こ!ってなるんですよね〜。
繰り返しますが、私の体感の話です。


で、一日目は距離的には近かったもんだからケンチさんの京極堂が現れるシーンをドキドキしながら待ってたんですが、当たり前ですけど暗転中のケンチさんはできるだけ目立たないようにしてるんですよね(当たり前)
本筋の話には関係ないんだけど、暗闇の中で客席に背を向けて、古本屋京極堂の場面が開くまで存在感を暗さで消されているケンチさんにめちゃくちゃグッと来てしまった…。
まあそれ以後はずっとケンチさんじゃなくて京極堂だなあ…と思いながら見ていました。
マジカルステップとふくらはぎ(?)は流石にケンチさんの研鑽を感じましたが…。


中禅寺兄妹と久保が匣の中の娘を朗読してるところが、構図とそれぞれの声の個性が良くて良かったです。
敦子ちゃんの『ぎう(ぎゅう)』がめっちゃかわいくて、詰められるとしたら敦子ちゃんに詰められたいでしょ…って思った。詰められたくはないです。
敦子ちゃんは(百鬼夜行シリーズの)レギュラーキャラでもあるからか、他の女性のキャラクター(陽子、加菜子・頼子・君枝・サト)と比べて圧倒的陽の存在でした。
兄貴に鳥口くんのこと全部喋ってるあたりの言い方とかもかわいかった…。
私は原作からしてよりかなの二人がしゃらくせえな…と思っていたのでその対比もあるのかもしれない。


舞台って今だと動画配信サイトで配信されたり円盤になったりすることもあって、見ようと思えば見れるわけですけど、魍魎の匣は本当に生で見れてよかったな…と思いました。
人間の機能を機械で再現しようとしたら三階建のビルディングに〜というセリフがあるんですが、アイア神戸ちょうど三階席まであるので狙ったのか?!このハコを?!となったり、
三階席からだと、実はこの研究所は新たな人体なんだ〜!!の種明かし?をされているときに一階席全体がピンク色に照らされてるのがわかって、客席もあの匣という人体の一部だと表現されてるのが体感できるんですよ。空間もまた表現の一部なんですね。
そして美馬坂の「人間の精神さえ残れば身体は不要・脳は研究所という入れ物で守れば良い」vs京極堂の「人間は脳だけではなく身体全て、人間全体で思考する・健常な人間の身体を切り刻んで実験に使うのは悪」の問答では、二人の熱量を観客は聴覚視覚だけではなく緊張した空気ごと、緊張した身体の強張りも含めて受け取ります。(特に神戸アイア一階席はこのあたりで結構首が痛い)
それ以前にも緊張を強いられる場面が終わると、暗転のたびに観客の息を吸う(それまで呼吸を忘れるほど見入っている)微かな気配を感じました。
そういう同じものを同時に見ている他人がいる状態も含めて、ある意味舞台というナマモノな表現媒体を選んだ時点で、京極堂の説得力は美馬坂のそれより格段に上だったんだよな…とか。
あと久保竣公を初めとする怖いシーンで一気に暗転するじゃないですか。
観客自身も自分の境界がわかんなくなるような闇は自宅では作れないので、あの怖さもハコ有りき…と思いました。


あと原作でも好きだったんですけど、木場修が陽子に手錠をかけるシーンがロマンチックで良かったです。
原作の木場修の恋心についての描写が好きだったので、あの描写をのんびり読んでいるときの時間などはどうしても舞台からは感じれなくて、しょうがないけどそこだけもうちょっと欲しかったな…と思いました。
まあでもそこに尺とってたら他と釣り合いが良くないしあの尺程度になるのはわかる。


再演、あるいは同キャスト・同製作陣でのシリーズ化がすごく見たい!!!!と思える舞台でした。正直あと一回、何階席でもいいから真ん中のブロックで見てみたかった…。
次回は狂骨の夢とかやってほしい……。
でも百鬼夜行シリーズで一番好きな作品なので、同じ空間に降旗くんと白丘さんがいたら立ち直れないかもしれない…怖い…。
しかし同じ脚本、演出の方に巷説百物語シリーズの方もやってもらいたいし、LDHのオタク的にはTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE浦川翔平くんに巷説百物語の又市をやってもらいたい…という気持ちもムクムク湧いてきます。
オタクは強欲だなあ。


もうここまで来るとどうでもいい神戸観光の話
一日目→南京町
二日目→スヌーピーカフェ
どちらも一瞬しかいなかったし観光よりは舞台前の腹ごしらえの意味合いが強かった…。
小籠包6つ売のところに行きたかったけど日和って4つ売のところに行ったら余裕だったので、次回があったら6つ食べます。(?)

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門のすぐそばにビルあるのいいよね…
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机もない立ち食い形式のとこで買っちゃったのでねすぴー火傷してそう…
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マンゴー味のウッドストックのかき氷。徒歩で三宮から新神戸まで歩く途中だったので程よく冷えてよかった。